『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

二章


(アザールSide)

 グレイ・アザールの初恋は、人と比べたら随分と遅いものだった。

 なんせ二十四歳になっても、人に恋焦がれるという感覚がわからなかったのだ。

 それまで女性から羨望の眼差しを向けられても、何人もの令嬢から愛の告白を受けても、心に火がつくような感覚が生まれない。性欲もわかず、兄や友人からは本気で心配された。

 恋とは、どんなものだろう。

 家族や友人に向ける情とは違う、胸が苦しくなったり、一日中その人のことを考えてしまうものらしい。

 雨上がりの光あふれる朝のように世界は輝き、昼はより活動的になり、夜にはその人を求めて胸が締めつけられて涙までにじんでくるというのだ。

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