『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

 それはなにかの病気なのでは……、とグレイは恋を熱く語る兄に言いたい気持ちをぐっと我慢する。自分の情緒をいちじるしく掻き乱すとされる『恋』に、グレイは苦手意識まで持ちはじめた。

 恋人の存在、恋の雰囲気すら一切出さないグレイを、両親は大変心配した。自分たちが貴族には珍しい、恋愛結婚だったのもあるのだろう。

『グレイが一緒にいたいと、心から願う人が現れますように』と、いつも願っていると聞かされた。

 兄が家督を継ぐことが早々に決まっていたので、グレイは無理に子供を残さないで済むと安心した。それでもきっといずれは、両親や兄が結婚相手を連れてくるだろう。

 その人を、自分は愛せるだろうか。

 生涯大切にしようという気持ちはあるが、それは『妻』を守るためであって、愛しているからではない。

貴族の結婚なんてそんなもの、なんて言う友人もいるけれど、グレイは複雑な気持ちで結婚というものを考えていた。

 自分は騎士の道に進もうと決めていた。昔から剣術の稽古は好きだったし、祖父の弟は騎士団長を務めたと聞いていたからだ。それに、恵まれた体躯もいかせる。

 
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