『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
兄の結婚を機に、グレイは二十歳のときに祖父母が暮らしていた屋敷を譲り受け、そこに使用人を置き暮らしはじめた。
二十四歳になってすぐに、領地を巡りサリュー国は隣国と戦争をはじめ、グレイの所属する騎士団も戦地へ赴き戦った。
両国が欲しがる領地には、戦う人々の飛び散る血や肉片が腐った匂いと、硝煙が日々染みついていく。怒声と呻き声が幾重にも響き、これが生き地獄なのだとグレイは思った。
夜、土臭い塹壕の中で月明かりを頼りに恋人に愛を綴った手紙を書いていた仲間が、昼には敵の兵士に喉をかき切られて骸になった。
王都に帰ったらその足で彼女に結婚を申し込むんだと、戦場にきて生きていることのありがたさを、心の底から思い知ったと言っていたのに。
子供が父親を描いたであろう小さな紙が、泥にまみれ踏みにじられる。敵の兵士が、こと切れる間際に、母親を呼ぶ。
生きているのが奇跡の連続で、ひとつでもそれを取りこぼしてしまったら、次に死体の山に突っ伏すのは自分だ。
二十四歳になってすぐに、領地を巡りサリュー国は隣国と戦争をはじめ、グレイの所属する騎士団も戦地へ赴き戦った。
両国が欲しがる領地には、戦う人々の飛び散る血や肉片が腐った匂いと、硝煙が日々染みついていく。怒声と呻き声が幾重にも響き、これが生き地獄なのだとグレイは思った。
夜、土臭い塹壕の中で月明かりを頼りに恋人に愛を綴った手紙を書いていた仲間が、昼には敵の兵士に喉をかき切られて骸になった。
王都に帰ったらその足で彼女に結婚を申し込むんだと、戦場にきて生きていることのありがたさを、心の底から思い知ったと言っていたのに。
子供が父親を描いたであろう小さな紙が、泥にまみれ踏みにじられる。敵の兵士が、こと切れる間際に、母親を呼ぶ。
生きているのが奇跡の連続で、ひとつでもそれを取りこぼしてしまったら、次に死体の山に突っ伏すのは自分だ。