『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
「もっと他に、美しい令嬢だって候補にいただろうに。昔は天使かと見紛うほどの綺麗な見た目だったなんて、本当なのか?」

「王太子があの令嬢を毛嫌いするのが、わかるな。あんな陰気で、やつれた見た目になってはな……」

「うちの娘にだって、殿下の婚約者になる機会はあったはずだ。なのに、よりによって貧乏な男爵家の娘だなんて」

「しかし、竜が選んだのはあの令嬢だったんだろう? 一体なにが良かったんだか、当時の見た目か?」

 仮にも未来の王太子妃相手にここまで言えるのは、普段のシルバの発言から、本当にこのまま二人が結婚するのかと疑わしく思っているからだろう。それに男爵位を思い切り下に見ているのだ。

 そんな好き勝手な会話に、どこかの貴族がひとつ咳払いをする。すると、ぱたりとそれは静かになった。

(やっぱり、今日ここに来るべきではなかった。たとえ大神官様直々の呼び出しであっても、こうなることを説明して断るべきだった)
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