『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

 血膿で汚れた大量の包帯やシーツを洗い、食事の介助や洗体の手伝い、ときには荷馬車に同乗して危険な戦場まで負傷者を迎えにやってきた。

 彼女は笑った顔は見せないけれど、負傷者を励まし、肩を貸し、細い体のすべての力を使って戦う者に尽くす。

 戦場外からやってきた人間が顔をしかめる凄惨な状況の中でも、リリアーナは表情を変えることはない。ただ一瞬目に焼きつけるように、じっと戦場を見つめる横顔が、印象に残った。

 一度、負傷者をリリアーナと一緒に荷馬車に運んだことがあった。そのとき、間近で見た彼女の琥珀色の瞳は──。

 この戦場で、自分の命が失われてもかまわない。むしろそうでありたいと願うような、命を一片も残さず燃やす覚悟の輝きを宿していた。

 それを──グレイはとても美しいと感じた。
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