『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
「きっとご両親から話を聞いているよ。俺もリリアーナの婚約者としてきちんと挨拶をしないとね。君のご家族に嫌われないよう、しっかりやらなきゃだ」
「そ、そんな、挨拶ですか!? 多分ですが、両親もグレイ様が目の前に現れたら絶対に驚きます。だって貴方様は、この国の英雄騎士ですもの……」
「はは、英雄なんてそんな大層な存在じゃないよ。たまたまそうなっただけだけど、リリアーナのご両親が勝手に婚約したことを許してくださる材料になればいいなと思ってる」
それを聞いて、リリアーナはハッとした。シルバとの婚約が破棄されたことも、それと同時にグレイと婚約を結んだことも、今日突然帰れることになったことも、すべてうまく両親に説明できるだろうか。
そんな不安が、表情にも出たのかもしれない。グレイは薄いリリアーナの背中を、励ますように軽く叩いた。
「グレイ様……」
「大丈夫、俺が君の傍にいる。順番に、ゆっくり話をしたていこう」
なんて頼りになる人なのかと、リリアーナは改めて思った。修道院で働いていたときも、グレイの気配りや動きには密かに感心していたのだ。