『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
そうして馬車は、ある屋敷の前までくると止まった。決して大きな造りではないが、よく手入れされているのが外観からもわかる。
物心ついたころからある、いくつもの薔薇の木。
お気に入りだった、アーチ型の門構え。
小路の石畳には、つまづいて転んだ記憶が残っている。
「私の、生まれ育った屋敷です……! 庭も門づくりも変わっていない、あのころのままです!」
「じゃあ、ひとまずリリアーナはここで待っていて。俺が先にご両親に話をしてくる」
グレイは身なりをサッと整えると、緊張で息を呑むリリアーナの手の甲にさらりと触れてから、馬車を下りていった。
リリアーナは門から屋敷の玄関を繋ぐ小路を歩くグレイの後ろ姿を、まばたきもせずに馬車の窓から見ていた。
(お父様、お母様、弟のアルフ……。どうか私のことを覚えていて)
物心ついたころからある、いくつもの薔薇の木。
お気に入りだった、アーチ型の門構え。
小路の石畳には、つまづいて転んだ記憶が残っている。
「私の、生まれ育った屋敷です……! 庭も門づくりも変わっていない、あのころのままです!」
「じゃあ、ひとまずリリアーナはここで待っていて。俺が先にご両親に話をしてくる」
グレイは身なりをサッと整えると、緊張で息を呑むリリアーナの手の甲にさらりと触れてから、馬車を下りていった。
リリアーナは門から屋敷の玄関を繋ぐ小路を歩くグレイの後ろ姿を、まばたきもせずに馬車の窓から見ていた。
(お父様、お母様、弟のアルフ……。どうか私のことを覚えていて)