『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

「戦場なんて……っ、どうしてそんな危険な場所にリリアーナを」

「リリアーナが助けた竜の子、あるいはその親竜から加護が受けられる可能性がある……それが理由です。戦争になにがなんでも勝利したかった国王が、安易に考えそうなことです。加護の恩恵の力を使ってでも、この戦争に勝ちたかったのでしょう」

 うう……っと、母のすすり泣く声と、父の力ないため息が聞こえた。アルフの表情は、戸惑っている。

 胸にずっとある気持ちを、リリアーナは静かに口にした。

「……私、竜の加護なんて受けられないのよ。そもそも、加護を受けられるなんて思っていない。あの日たまたま拾い上げた小さな生き物が、竜の子だったなんて確信もないの」

 本当にあるかもわからない、本物の竜の加護。例え竜の子を助けたからといって、やすやすと授かるものではないと考えている。

 国や民を静かに見守ってくれている、竜とはそういう存在なのだとリリアーナは思うのだ。

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