『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
母と手を繋ぎ、八年前となにも変わっていない自室で眠る。ずっと掃除などをして維持してくれていたようで、昨日までここで生活をしていたと思うほどだ。
「この部屋も、なんにも変わっていなくて嬉しい」
「リリアーナの部屋だもの。毎日掃除をして、いつか帰ってくるのを待っていたのよ」
あのまま城にいたら、二度と帰れない可能性の方が高かった。それでも家族は、リリアーナの帰りを待っていてくれた。
じわり、と熱い涙が滲む。今日は泣いてばかりで涙は枯れたと思ったけれど、まだまだにじんでくる。
どうかこれが夢でありませんようにと、リリアーナは母の温もりを感じながら心から願った。