『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
「私の悪評が、まだまだ貴族たちの間でもあると思います。嘘つきなど……、それがアザール家の名前に泥を塗ってしまうことになりませんか?」
このことも知っているか、しっかりと確認をしておきたかった。すると伯爵はまっすぐにリリアーナを見つめ、グレイに似た顔で笑った。
「ああ、あの話だね。周りが勝手に持ち上げたり落としたりと、酷い話だと思っていた。昨日の礼拝堂でもうるさく話す貴族たちがいたから、咳払いしてやったら黙ったよ」
「えっ」
昨日確かに、そんなことがあった。礼拝堂に響くほどの声で貴族が話していたのを、咳払いで止めてくれた人がいた。
それがグレイの父親、伯爵だったというのだ。
「昨日のことは、全部この目で見ていたよ。よくやったと、昨夜は息子を褒めてやった。だからなにも心配しないで」
不安のひとつが取り除かれ、リリアーナは心から安堵した。
ここからは本当に、怒涛の勢いで結婚準備が進められた。リリアーナの母、それにグレイの母親と兄嫁もが協力してくれて、ドレスも装飾品も揃えられた。
そうして王都でも話題になるほどの早さで、リリアーナはグレイ・アザールの花嫁となった。