『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

 グレイの妻となったリリアーナは、グレイの勧めもあり結婚後も生家で過ごしている。甘え過ぎてしまっているとリリアーナは訴えたが、「どんどん甘えて欲しい」と逆に言われてしまった。

 失われた八年を取り戻すための、穏やかな時間が流れる。週末にはグレイが王都からお土産をいっぱい詰んだ早馬でやってきて、サルバル家で過ごすのが定番になった。

 安らかな日々はリリアーナの体にもいい影響を与え、めきめきと痩せた体は女性らしくふっくらとし、天使と呼ばれた容姿をついに取り戻した。

 薄い金色の髪は絹のように煌めき、頬は白くふっくらとした桃色に、長い睫毛は瞬きをするたびに影を作る。琥珀色の瞳は光を放つように輝き、唇は春に咲く薔薇色で可愛らしい──。

 そうグレイに讃えられ、リリアーナはあまりの照れと恥ずかしさに、グレイの顔が見れなくなってしまった。

 週末の今日も、グレイが王都からリリアーナに会いにきてくれることになっている。結婚後、両親やアルフとも良好な関係を築いてくれていて、グレイの心遣いに胸がときめきが止まらなくなっていた。

(あんなに優しい人に、ときめくなっていうのが無理なのよ。だって今まで、多感な時期に一番目立って目の前にいたのが……シルバ様だったんだもの)
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