『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

「お父様、お父様! すぐにきて! グレイ様が!」

 リリアーナの叫び声に、父とアルフが屋敷から飛び出してきた。父はグレイを見てすぐに支え、アルフはこの騒ぎに落ち着かない馬の手綱を握る。

「アザール様は、一体どうしたんだ!?」

「なにか、ショック状態を起こしているのかもしれない。アルフ! このままグレイ様の馬をお借りして、お医者様を呼んできて! お父様、グレイ様を中に運びましょう」

 大きなグレイの体を支えた父から、「あっ」と驚いた声が上がった。父の手のひらに、少量の血がついている。

「ここ、背中に怪我をされている」

 父とリリアーナが目を合わせる。これはただごとではないと、二人は両方からグレイを支え屋敷の中に入った。
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