『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

 今から八年前の出来事だ。

 この国では十歳になると子供たちが神殿の礼拝堂に集められ、祝福を授かる儀式がある。

 国は竜に守護されると古からいわれてはいるが、実際にその竜の姿を見た人間はほとんどいない。

 なのでこれは、守護竜の存在を次世代へ伝えるための儀式だとだといわれている。

 竜の代わりに神官や、教会の人間が子供たちに祝福を授ける。貴族の子供たちは神殿の礼拝堂に、平民の子供たちは各地の教会で集まることになっていた。

 たいした財産も領地もない男爵家の娘、リリアーナも一応貴族ということでその日は神殿の礼拝堂に呼ばれていた。

 しかし人見知りで、しかも大勢の子供に人酔いしてしまったリリアーナは、新鮮な空気を吸うために礼拝堂から中庭まで抜け出してきた。子供たちであふれそうな礼拝堂はにぎやかで、ひとりでこっそりと出てくるのは容易かった。
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