『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

 春の草花がキラキラと命を輝かせて咲く中庭に、リリアーナはうずくまる。そうしてほうっと小さく息を吐いた。

(早く帰りたい。たくさんの人に緊張してしまって、具合まで悪くなりそう)

 貴族の子供たちは親同士の繋がりがあるのか、お喋りに花を咲かせて賑やかだった。初対面同士でも挨拶を交わし、交流を持つ子供もいる。

 ただリリアーナは緊張しいの人見知りゆえ、その場に座っていることだけで、いっぱいいっぱいだった。ジロジロと執拗に見られ、知らない子供に話しかけられ、上手く答えられないの繰り返しで儀式の前に疲れ果ててしまった。

(……私、こんなにも人付き合いが苦手なのに、宝の持ち腐れで……。お父様にもお母様にも申し訳ない)

 リリアーナの両親は見目麗しいことで有名で、二人が結婚したときなどは、将来生まれてくる子供にも周囲から大いに期待がされた。ただ両親はそんなことより、元気な子供が授かれればいいと思っていたそうだ。

 そこにまず生まれたのが長女のリリアーナで、その容姿は両親のいいところばかりが奇跡のバランスで受け継がれた。

 母親譲りのぱっちりとした琥珀色の大きな目と、絹に似た薄金色の髪、父親譲りのすっと通った鼻筋。小さな唇は薄い薔薇色で、透き通るような肌は、ほのかに光を放つように神秘的に見える。

 寝顔は周囲を和ませ、人々はリリアーナはまるで天使が地上におりてきたと口にした。
 けれど、成長したリリアーナはとても人見知りな性格に育った。人に会うときには常に母親の後ろに隠れ、会話もままならない。
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