『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

「それに、想像してみて? グレイが目を覚ましたときに、リリアーナさんが頭を下げたなんて知ったら、コイツは自分を責めるだろう。自分のせいで、リリアーナさんが……って。それに、なんでそれを止めなかったんだって、僕が殴られるかもしれない」

 義兄はリリアーナを元気づけるためか、明るく言う。

「お義兄さま……」

「リリアーナさんはさ、いきなりグレイに婚姻を申し込まれて結婚して、コイツのこと、知らないことがまだあって不安だよね。兄として言えるのは、グレイはとにかく体が丈夫で、優男に見えるけどかなり頑固で、喧嘩が強い。自分が大事にしているものは、絶対に手放さない。だから、リリアーナさんを置いていったりなんてしないから、大丈夫だよ」

 「ね?」と念を押されて、リリアーナは小さく頷くことしかできなかった。

 その一時間後に馬車が到着して、義父である伯爵が客室に入ってきた。伯爵はグレイの眠っている顔を見て、それからリリアーナの体を気遣い、休むように促した。

 しかしリリアーナは、それをやんわりと断った。
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