『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

 そんなリリアーナを両親は心配しながらも、心から彼女に愛情を注いで育てたのだ。

 儀式の今日、リリアーナは両親と一緒に王都にやってきた。儀式の間は、両親は王都で暮らす知り合いのもとを訪ねている。

 このまま礼拝堂に戻らないで一日をやり過ごしたいけれど、それではこの日のために無理をして一張羅のドレスを仕立ててくれた両親に申し訳ない。

 地方の男爵家では、気軽にドレスを仕立てられるほどの余裕はないのだ。

(……このまま竜の祝福を受けなかったら、私は早死したり不幸になったりしちゃうのかな)

 みんなが祝福されるなか、自分だけそれがないのも不安になる。リリアーナは迷う心を抱きしめるように、しゃがんだまま膝を抱えた。

 そこに、ガサガサと草花をかき分けて一匹の猫がのっそり現れた。

『……こんなところにも、猫がいるのね。あれっ、なにか咥えてる』

 
< 8 / 100 >

この作品をシェア

pagetop