『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
「この小さいのがじゃれつくものだから、俺はあっちに行けなくて……。いや、リリアーナを置いていってはいけないと思って強く抗っていたのに、あれ?」
あっち、とグレイが呼んだ方向を見ると、鮮やかな美しい花畑がある。
明らかに、天国。あの世の入口と呼んでも良さそうな風景が、いつの間にか現れていた。
「だ、だ、だめです、あの場所へ行ってはいけません!」
「うん、絶対に行かない。ちょっとぼうっとした隙に、体が勝手に動いていた。この生き物がいなかったら、俺は無意識にあっちへ引っ張られていってしまっていたかもしれない」
グレイはしゃがんで、その生き物を自分の手のひらに乗せて立ち上がりリリアーナに見せた。
「貴方、本当にグレイ様を引き留めて助けてくれたのね……。ありがとう、本当にありがとう、竜の子」
リリアーナはグレイからその小さな生き物を受け取り、自分の手のひらに乗せて頬擦りをした。小さな生き物はあの日のように、輝く金色の目でリリアーナを見ている。
「この子が、リリアーナが子供のころに見たという?」
「はい、私と大神官様とで。あのあと、親とは会えた?」
小さな生き物は、答えるように目を細める。
すると、サルサラと光の粒になって、また消えてしまった。