『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
リリアーナの胸の中で、大きな安堵と、グレイへの愛おしさがあふれる。すると、体は何年も忘れてしまっていた仕草を思い出した。
嬉しさで口角が上がり、目尻が下がる。
「……笑ってる、笑ってるリリアーナも、とても素敵だ」
グレイは目を細めて、リリアーナの頬をそっと撫でる。
(ああ、私、自然に笑ってる。グレイ様が目を覚まして、本当に嬉しくて笑顔になってるんだわ)
「……ふ、ふふっ」
「今度は、笑いながら泣きはじめた」
「だって、グレイ様が目を覚ましてくださったのが嬉しくて。……私、グレイ様を大切に思っています。好きなんです、貴方を愛しています」
はっきりと、リリアーナはここでグレイへの気持ちを伝えた。ぐずぐずと悩んでいたら、またなにかあるかわからない。
グレイに気を使わせ、距離を置かれてしまう可能性もあるけれど、しっかりと胸の内をさらけ出した。
不思議と心臓は落ち着いているので、グレイの表情や様子をよく見ることができる。
空色の瞳がリリアーナを捉えたまま、見開かれる。
頬や耳、首筋まで真っ赤に染まり、まるで照れたように瞳が揺れた。