『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
 あれから一ヶ月が経ち、リリアーナは住まいを生家からグレイが暮らす王都の屋敷に移していた。

 離ればなれにされていた家族の元に戻れたのに、三ヶ月でまた離れるのは辛いのでは? それに体調はとグレイは心配をしたが、それでもリリアーナはグレイの傍にいてくれることを選んでくれたのだ。

 グレイはリリアーナのためなら、王都での勤めから、リリアーナの生家のある地方への転属まで考えていた。英雄騎士ともてはやされていても、あくまでもそれは結果で、大切なのは『なにがなんでも生き残る』という意欲をくれたリリアーナだからだ。

(あの豚野郎、いや、王太子殿下から奪った、リリアーナは世界一大切な人なんだ)

 初恋を自覚したグレイは、シルバの性格を分析して、自分がどう動けば失言を誘えるか、何百パターンも想像していた。

プライドの高いシルバは、恥をかかされれば必ずその場で報復に出る短絡的思考の持ち主だ。

 後先考えられない性格ゆえ、『英雄騎士グレイ』が人徳を得るような動きをすればするほど、シルバの苛立ちは増していくだろう。

 あの礼拝堂でリリアーナがシルバのせいでよろめいたのは偶然だったけれど、彼女が大きな怪我をする前に助けるために動けた自分を賞賛したい。

 
< 78 / 100 >

この作品をシェア

pagetop