『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
「ただ、それは父親にゴリ押しされた結果らしい。それで思うところがあるらしく、俺や、君に接触してくる可能性があるかもしれないんだ」

 あんな性格でも、シルバはこの国の王太子だ。リリアーナという婚約者が去れば、新たな婚約者の選考が行われるのは当然のことだ。

 今度は後ろ盾のない男爵家からでなく、由緒ある公爵家や伯爵家から、シルバと年齢も釣り合う令嬢を捜すのだろう。

 ただ……、あのシルバの性格は知れ渡っていて、そこに自分から喜んで婚約者になりたいという令嬢がいるかどうか。

(シルバ様の婚約者だった私が、いきなりグレイ様と婚約から結婚すれば、恨みを買うのも当然だと納得できる)

 そのくらい、グレイとの結婚の経緯が急なものだったのは自分でも理解している。グレイに憧れている令嬢がたくさんいたことは知っているし、シルバの婚約者になってしまった令嬢が思うところがあるのも理解できてしまう。

 会ってしまったら、怒鳴られる? それとも叩かれるか、リリアーナは息を呑んだが、グレイに心配をさせないように平静を装った。
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