『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
 ドゴッ!と、鈍い音がリリアーナの耳にはっきりと聞こえた。

 吹っ飛んだシルバの真後ろに急に人影が現れ、その頭になにかをいきなり振り下ろした。

 ガシャンッ!と大きな音が立ち、割れた陶器の破片が周囲に飛び散る。

 シルバの傍には、髪を振り乱して息を荒らげた令嬢が立ち尽くす。フーッフーッと呼吸して、異様な様子を見せていた。
 頭を陶器でカチ割られたシルバは、流血の中で唸り声を上げている。

「はは……、これでわたしは、コイツの婚約者でなくなる。噂通り、どうしようもない最低男だわ」

 令嬢はすぐに、屋敷の使用人たちに捕えられた。シルバも手当てのためにすぐに運び出されたが、どうやら流血のわりには傷は浅かったようだ。
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