三十三歳、イケメン男子にご飯を奢るのが趣味になりました。

可愛いも褒め言葉です

映画の話になった。蓮くんが最近見たという一本は、私も先週見たばかりだった。

「あの人、絶対裏切ると思ったの」
「わかる。出てきたときから怪しい」
「最後まで普通にいい人で、びっくりした」

蓮くんは笑いながら水のグラスを置いた。

「顔で疑われてかわいそう」

その言い方に笑うと、彼も笑った。切れ長の目が細くなり、少し開いた唇から白い歯が見えた。

あ、可愛い。

「可愛いね」

言うと、蓮くんの笑いが収まった。

「格好いい、のほうがいい」
「それは、さっき言ったよ」
「何回でもいいけど」

私はまた笑ってしまった。

「じゃあ、格好いい」
「どうも」

満足したように水を飲み、グラスを置くと、彼は少し身を乗り出した。

「で、あの映画の最後なんだけど」

私は頷いて、その続きを聞いた。
< 13 / 33 >

この作品をシェア

pagetop