三十三歳、イケメン男子にご飯を奢るのが趣味になりました。

それはそれ、これはこれ

翌週は、二十二歳の男の子とスープカレーを食べに行った。

辛さを選ぶところで二人とも迷い、結局、私は無難な辛さにして正解だった。向かいの彼は汗をかきながら、それでもおいしそうに完食していた。

その次の土曜日は、大学時代からの友達とランチの約束があった。二年前に結婚している友達だ。

「この間さ、夫が急にカーテン洗い始めて」

パスタを巻きながら、彼女が言った。

「カーテン?」
「そう。天気いいからって。私、洗えることすら忘れてた」
「わかる。ずっと掛かってるものだと思ってる」

二人で笑った。洗濯が終わったら一枚だけ縮んでしまい、二人で交代しながら引っ張ってみたけれど、どうにもならなかったという。結局、その日は新しいカーテンを買いに行ったらしい。

「見慣れると気にならないよって言うんだよ。裾が浮いてるのに」
「言い出した本人が?」
「そう」

彼女は呆れたように笑い、パスタを口に運んだ。私は水を飲みながら、休日にカーテンを洗い、失敗して二人で買いに行くところを思い浮かべた。

話の中では大変そうだったけれど、何だか、いいなと思った。

「真帆は、最近どう?」
「元気だよ。仕事もまあまあ」
「恋愛のほう」

私はフォークを置いた。

「そっちは、特に」

答えてから、少し考えた。食事に行く男の子はいる。でも、彼女が聞いているのは、そういうことではない。

「誰か探したりは?」
「してないなあ」

彼女は頷いた。

「私も、会うのは会社の人ばっかりだった。紹介してもらわなかったら、たぶん今もそのまま」
「そうだよね。急に知り合いが増えたりしないものね」

ここ数年の自分を思い返す。仕事をして、友達と会って、一人で好きなことをする。最近は、若い男の子との食事という楽しみもできた。

特に、不満はない。でも、このまま過ごしていたら、来年もきっと同じことを言っている気がした。

「……私も、ちょっと探してみようかな」
「うん。いいんじゃない」

彼女は大げさに喜ぶでもなく、そう答えた。それからデザートのメニューを開く。

「私、チーズケーキにする。真帆は?」

私は反対側から覗き込んだ。

「ちょっと待って。プリンもある」
「さっき入口で見てたもんね」
「見てた」

ひとまず、目の前の二択から決めなくては。
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