三十三歳、イケメン男子にご飯を奢るのが趣味になりました。
電車に乗ってから、ジャケットの袖を見た。
今日、何度も褒められた。本当に気に入っていたと思う。気を使って言っている顔じゃなかった。

だったら、いいはずなのに。俺みたいな、か。
来週は誰と何を食べるんだろう。聞けば普通に教えてくれそうだったけれど、別に聞きたくはなかった。

トーク画面を開き、今日のお礼を打つ。

『今日はありがとう。おいしかった』

送ってから、背もたれに寄りかかった。
店に入る前、俺を見つけたときの顔を思い出す。あのときは、ちょっと嬉しかった。今も、そこは変わらない。

画面が光った。

『こちらこそ、ありがとう。付き合ってくれて嬉しかったです』

俺はその一文を、もう一度読んだ。
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