三十三歳、イケメン男子にご飯を奢るのが趣味になりました。

本気になっちゃった?

『ここ、どう?』

蓮くんから送られてきたのは、土鍋ご飯と魚料理のお店だった。鯛も、鮭といくらもおいしそうで、返事をしたあともメニューを眺めてしまった。

当日、店へ向かいながら、もうご飯を選んでいると話すと笑われた。結局、蓮くんも食べたがった鮭といくらに決める。二人前からだったので、好みが合ってよかった。

「この前の本、読み終わった?」
「うん。面白かったよ」
「じゃあ、読む」

注文を終えたばかりの彼を見て、笑ってしまった。

「私の感想だけで?」
「面白かったらって言ったじゃん」
「そうだけど。好み、合うかな」

彼は当然のことのように言った。

「読んでみればわかるでしょ」

もっともだった。今度持ってくると約束すると、蓮くんは「ありがと」と笑った。

土鍋ご飯は、二人ともおかわりをした。私が覗き込むと、彼がお茶碗を受け取り、おこげも一緒によそってくれた。
食後のお茶を飲みながら、本を忘れないようメモしておこうと、スマホを出す。

「あれ?」

蓮くんの声に、指を止めた。

「何?」
「それ、やってるの?」

視線の先には、この間入れた恋活アプリのアイコンがあった。

「ああ、これ? うん。最近始めたの」

彼は一度私を見てから、「そうなんだ」と答えた。

「まだ、使い方もよくわからないんだけどね」

私は笑ってメモを開く。本、と入力してから顔を上げると、蓮くんはお茶を飲んでいた。

「今度、忘れずに持ってくるね」
「うん。楽しみにしてる」
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