三十三歳、イケメン男子にご飯を奢るのが趣味になりました。
待ち合わせ場所に着くと、蓮くんがベンチから立ち上がった。今日は薄手のシャツに黒いパンツで、スーツ姿を見ることが多かったぶん、少し久しぶりな気がする。

「お疲れ」
「お疲れさま。おめでとう」
「ありがとう」

近づくと、彼が手を差し出した。取った手に指を絡めながら、尋ねる。

「今日は何食べたい? お祝いだから、蓮くんの好きなものにしよう」

彼は少し考えた。

「ハンバーグ」
「最初のお店?」
「うん。デミグラス、一皿食べたい」

思わず笑ってしまった。最初に一口交換してから、ずいぶん経つ。

「じゃあ、私は和風にしようかな」
「逆だね」
「そうだね」
< 77 / 90 >

この作品をシェア

pagetop