三十三歳、イケメン男子にご飯を奢るのが趣味になりました。
駅へ向かう角まで、三人で歩いた。
「じゃあ、卒業式の写真にもいた?」
「いたよ。俺、髪切ったばっかりだったし、わかんなかった?」
「……蓮くんばっかり見てた」
「でしょうね」
彼は別の路線を使うらしく、私たちとはそこで別れるという。立ち止まると、きちんとこちらへ向き直った。
「今日はごちそうさまでした。おいしかった」
「どういたしまして。忙しいのに、来てくれてありがとう」
「誘ってくれて嬉しかったよ」
スーツの肩には、仕事用らしいバッグがかかっていた。初めて会ったときは薄手のパーカーだったな、と、ふと思い出す。
彼も私たちの手元を見てから、顔を上げた。
「蓮、おねーさんのこと、よろしく」
「お前に言われなくても」
すぐに返され、彼は声を出して笑った。
「だよね」
それから、私を見る。
「お幸せに」
「ありがとう。あなたも、仕事、無理しないでね」
「うん。おねーさんも」
彼が片手を上げた。
「じゃ、またね」
「うん。またね」
私も手を振る。少し離れてから、彼は蓮くんにも「また連絡する」と言い、そのまま駅へ向かった。
背中が人の流れに混じるまで見送っていると、蓮くんが尋ねた。
「楽しかった?」
「うん。ちゃんとお礼も言えたし」
彼の隣へ向き直った。
「迎えに来てくれて、ありがとう」
蓮くんは、もう友達の姿が見えなくなったほうを見た。
「あいつだったんだね」
「びっくりした」
「俺も」
二人で笑い、私たちも歩き出した。
「じゃあ、卒業式の写真にもいた?」
「いたよ。俺、髪切ったばっかりだったし、わかんなかった?」
「……蓮くんばっかり見てた」
「でしょうね」
彼は別の路線を使うらしく、私たちとはそこで別れるという。立ち止まると、きちんとこちらへ向き直った。
「今日はごちそうさまでした。おいしかった」
「どういたしまして。忙しいのに、来てくれてありがとう」
「誘ってくれて嬉しかったよ」
スーツの肩には、仕事用らしいバッグがかかっていた。初めて会ったときは薄手のパーカーだったな、と、ふと思い出す。
彼も私たちの手元を見てから、顔を上げた。
「蓮、おねーさんのこと、よろしく」
「お前に言われなくても」
すぐに返され、彼は声を出して笑った。
「だよね」
それから、私を見る。
「お幸せに」
「ありがとう。あなたも、仕事、無理しないでね」
「うん。おねーさんも」
彼が片手を上げた。
「じゃ、またね」
「うん。またね」
私も手を振る。少し離れてから、彼は蓮くんにも「また連絡する」と言い、そのまま駅へ向かった。
背中が人の流れに混じるまで見送っていると、蓮くんが尋ねた。
「楽しかった?」
「うん。ちゃんとお礼も言えたし」
彼の隣へ向き直った。
「迎えに来てくれて、ありがとう」
蓮くんは、もう友達の姿が見えなくなったほうを見た。
「あいつだったんだね」
「びっくりした」
「俺も」
二人で笑い、私たちも歩き出した。