今宵、黒蝶を溶かして。
しばらくして、光莉の手を取る。

「俺は、昔もお前を守れなかった」

「昔?」

「引っ越す前、お前が泣いていたのに、そばにいられなかった」

冬真の指が、光莉の手を強く握る。

「だから今度は、絶対に離れない」

その声は静かだったけれど、決意に満ちていた。

そこへ、ドアの向こうから声が響く。

「総長、まさか本当に同居させる気か?」

玲央の声だった。

「そうする」

冬真が答えると、すぐに迅の声が重なる。

「即答かよ! 光莉ちゃんが来てから、総長の過保護がすげぇんだけど!」

「元から過保護だったと思うよ」

伊織が穏やかに続ける。

「ただ、光莉ちゃんが現れて、隠さなくなっただけ」

「冬真、光莉ちゃんが部屋を出るたびに気にしてるもんな」

蓮司まで加わり、廊下がどんどん騒がしくなる。
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