ちいさな世界に恋をして、

一目で分かるくらい傷だらけで倒れていたのに、私が通りかかるまで、本当に誰も気付かなかったんだろうか。

「………」

「………あの、な、なに?」

「………」

「えぇと、あの……なんか…」

「………」

「ご、ごめんなさい……」

明らかに年下の私相手に、ずっとおどおどした態度なのも気になるし、

「お姉さん、お名前は?」

「え?」

「名前です、名前」

「………」

「………」

「………」

名前すら答えられないなんて、もしかしてこの人。

私にしか見えない、触れてご飯も食べるタイプの幽霊なのか…?


「そ、それよりあの、おっ、」

「お?」

「お、じゃなくてー…えっと…
あたし、帰らなきゃ!」

彼女の不可思議な態度を見て、やっぱり。

……やっぱりこの人、幽霊なんだ…


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