浪費家王子に婚約破棄されましたが、王女だった(隠れ)王子に財務相談役として囲い込まれています
緊張感を隠せないまま、シャルロットは机の前に立つ。
不眠不休に近い状態で書類と格闘しながら数日、今日は御前会議だ。
上座には年老いた国王が、その隣にはクリスチャンが静かに座っている。そして数人の大臣たちの顔が並んだ。
緊張で指先が微かに冷たくなるのを感じながらも、シャルロットは自身がまとめ上げた予算案の資料をテキパキと提示し、報告を始めた。
「まず第一に行うべきは、利子の返済です。これを滞らせることは、エルグレコとの関係の悪化だけでなく、他国との均衡を破る理由にもなってしまいます。最優先で支払うべきです。しかしながら……」
書類を引き出し、王と王子の前へと向ける。
「それと同時に、利率の変更を打診するべきでしょう。高すぎます。過去、別の国から借り入れをした際には年間利率1割1分でした。エルグレコには残債に3割を掛けて支払う契約になっています。元王妃様の件ではこちらに分がありますから、これを機に引き下げを申し入れるべきです」
一瞬、大臣の一人が冷やりとした顔をする。
しかし国王の表情には、じっと耳を傾ける真剣な色が加わった。王は視線だけでシャルロットに続きを促す。
シャルロットは資料の頁をめくった。
次に取り組むべきこととして、産業の効率化を挙げる。
特に農村部の発展が他国に比べ遅れていること、未だ牛車を使っていることに触れ、運搬用の馬の量産、馬車への切り替えを提案。
続けて、製粉技術の更新を訴えた。
「日照りが続き、隣国から作物を輸入する年が続いて参りました。しかしながら、幸いにも今年の実りは豊かです。これを機に、自給率を上げていかなければならないかと存じます。新しい技術を取り入れることは、中期的に見て、この国の借財を減らすことに繋がります」
一息つき、シャルロットは少し言葉を選びながら次の項目へと移る。