浪費家王子に婚約破棄されましたが、王女だった(隠れ)王子に財務相談役として囲い込まれています

「次の事項は、政治的判断とも絡みますから私からは優先順位を付けることはできません。しかし、休止している鉱山の採掘は再開させるべきでしょう。先のことを考えれば、投資は不可欠です」

 今を凌ぐ事は大事だが、未来も大切だ。
 鉄や鉱物を安定的に採掘できれば、この先、工業的な発展も期待ができる。

「また、国防の件にも触れさせていただきます。恐れながら元王妃様との一件もございました。特にエルグレコ側の国境付近は手厚く警備すべき必要があるかと存じます。良い機会ですから、騎士団の再編なども視野に入れて良い時期なのかもしれません。ですが……申し訳ありません、門外漢ですのでこれに関しては特に具体的な良案は浮かんでおりません」

 話を終えシャルロットが深く頭を下げると、会議室に静寂が訪れた。
 国王が深く椅子の背に体を預け、感嘆を帯びた息を漏らす。

「……ふむ。この短時間で良く調べてくれた」
「恐れ入ります」
「クリスがそなたを相談役にと言い出したときには冗談かと思ったが……確かに、あの愚息の借財を片付けてきただけのことはある。はっはっは」

 国王は楽しげに笑い、重ねてシャルロットを褒めた。

「計算能力が高いだけでなく、国政の舵取りについてもしっかりと勉強をされてきたのだな。いや、素晴らしい。公爵の教育理念が見て取れるようだ」

 国王の言葉に、シャルロットの胸のつかえが少しだけ取れる。父の株が上がるのは願ったりだ。
 王は満足そうに何度も頷いた。

「よし分かった。このまま、具体的な予算案に着手して欲しい。シャルロット嬢の考える最適案と第二案を出してくれ。いま報告のあった事項には、すべて手を付ける。喫緊の課題も、未来への投資もどちらも欠かせん。鉱山と国防に関しては、こちらで優先順位と手だてを考えよう」
「ありがとうございます」

 シャルロットは確かな手応えを感じながら、深く一礼した。



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