浪費家王子に婚約破棄されましたが、王女だった(隠れ)王子に財務相談役として囲い込まれています

 突如、第二王子が現れてしばらくが過ぎた。
 国王の回復とともに、王女が王子であったという事実も、存外すんなりと受け入れられている。
 そう。一部の人間を除いて。

「どういうことですかクリスチャン殿下?!」
「どうもこうもない、今の人選ではまともな会議などできないだろう。元王妃の個人推薦が多すぎる。議会は一旦解散、大臣職は全てその任を解く」
「しかし、それでは公務に滞りが……」
「一時、事務次官に代行させよ。早急に検討したのち、新たな担当大臣と会議に参加すべき者を専任する。もちろん、能力と適性があれば元の役職へ戻るだろう」
「……っぐ」

 大臣の任を解かれた伯爵が鼻を鳴らしながら退出した。
 再任されることはないと、彼は自分でも分かっている。

「よし。これで無駄な役職手当が大幅に削れるな」
「既定の倍以上に膨れ上がった議員数は定数まで削減、新設された意味のない大臣は役職ごと廃止ですね」

 侍従でクリスチャンの乳兄弟でもあるヘイルが応えた。

「飼育大臣に園芸大臣、面会取り仕切り大臣……まったく。王城は学校か」
「元王妃付きの使用人も、予定通り大幅に解雇します」
「働きぶりに応じて、次の仕事の紹介や推薦状の交付をしてやってくれ。する必要のない者は捨て置け」

 へイルはお辞儀をしてから部屋を出た。
 入れ替わるように、ワゴンに大量の書類を積んだ侍従が入ってきた。

「殿下、こちらが借用書の一式でございます」
「……これ全部か?」
「利息を返すと同時に新たな借り入れの契約をしていらっしゃったので、内容が複雑に絡み合っており……」

 ワゴンは十台以上運び込まれた。
 気が遠くなりそうだ。

「……早急に、新たな財務大臣の任命が必要だな」



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