恋の花火がきえる時。
「……どうしたの?」

「別に」

「光輝、今日ずっと私の顔見てない?」

「見てない」

「見てたよ」

「見てない」

「見てたってば」

 理紗が笑いながら顔を近づけると、光輝は困ったように眉を寄せた。

「おまえ、距離が近い」

「幼なじみだから平気でしょ?」

「そういう問題じゃない」

「じゃあ、どういう問題?」

「……知らない」

 光輝は理紗の額を指で軽く押した。

 理紗は「いたっ」と声を上げて、額を押さえる。

「ひどい!」

「うるさい」

「光輝は不器用だよね」

「誰が」

「だって、優しくしたいのに、いつも怒ったみたいな言い方するもん」

 光輝の表情が、ほんの少しだけ固まった。

「……別に、優しくしたいわけじゃない」

「じゃあ、昨日送ってくれたのも?」

「帰る方向が同じだっただけ」

「今日迎えに来たのも?」

「暇だっただけ」

「毎日一緒に帰るって言ったのも?」

「……」

 理紗は楽しそうに笑った。
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