恋の花火がきえる時。
重い本を何冊か運んだせいだろうと、自分に言い聞かせる。

 大丈夫。

 これくらいなら、いつものこと。

「理紗」

 隣から声がした。

「なに?」

「顔、赤い」

「本を運んだからだよ」

「それだけか?」

「うん。光輝は心配しすぎ」

 理紗は笑って、本を胸に抱え直した。

 そのとき、腕の中から一冊の本が滑り落ちる。

 床に落ちる前に、光輝が受け止めた。

「危ない」

「ありがとう」

「貸せ」

「え?」

「それ」

 光輝は理紗が抱えていた本を、まとめて取り上げた。

「私も持てるよ」

「知ってる」

「じゃあ、どうして?」

「俺が持ちたいだけ」

 ぶっきらぼうな言い方だった。

 でも、理紗にはそれがとても嬉しかった。
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