恋の花火がきえる時。
「ねえ、光輝」

「何」

「中学校って、三年間なんだよね」

「そうだな」

「三年間って、長いかな」

「長いだろ」

「そっか……」

 理紗は安心したように笑った。

「じゃあ、三年間ずっと一緒にいられるね」

 光輝は黙った。

 理紗はその沈黙の意味を知らず、続ける。

「高校も一緒がいいな。卒業しても、ずっと近くにいてね」

「……おまえは、先のことばっかり考えるな」

「だって楽しみだもん」

「そんな先のこと、分からないだろ」

「分からなくても、約束はできるよ」

 理紗は小指を差し出した。

「指切りしよう?」

「子どもかよ」

「いいから」

 光輝は呆れたように息を吐いた。

 けれど、理紗の小指から目をそらせなかった。

「ほら」

「……分かった」

 光輝は自分の小指を、理紗の小指に絡めた。

 夕暮れの道に、ふたりの影が長く伸びている。

「中学三年間、毎日一緒に帰ること」

「毎日?」

「嫌なの?」

「……嫌じゃない」

「高校も、できたら一緒にいること」

「できたら、って何だよ」

「だって、クラスが違うかもしれないし」

「それでも帰る」

「本当に?」

「ああ」

 理紗は嬉しそうに頷いた。

「じゃあ、約束ね」

「約束」

 小指を離した瞬間、理紗の胸にまた小さな痛みが走った。
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