恋の花火がきえる時。
今度は、さっきより少し強い。

「……っ」

「理紗?」

 光輝がすぐに振り返る。

 理紗は胸元を押さえたまま、笑顔を作った。

「大丈夫。ちょっとお腹空いただけ」

「胸を押さえてるのに?」

「えっ……ああ、これは、その……お昼が少なかったから!」

「意味が分からない」

「私も分からない!」

 理紗は明るく笑った。

 光輝は納得していない顔をしていたけれど、それ以上は聞かなかった。

 ただ、家に着くまで理紗より半歩前を歩き、彼女が転ばないように何度も振り返った。

 玄関の前で、理紗が手を振る。

「じゃあ、また明日ね!」

「ああ」

「明日も迎えに来てくれる?」

「……気が向いたら」

「来てくれるんだ!」

「まだ決めてない」

「絶対来てね!」

 理紗が笑顔で家の中へ入っていく。

 扉が閉まる直前まで、光輝はその場に立っていた。

 やがて、理紗の姿が見えなくなる。
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