恋の花火がきえる時。
「……一緒に入ればいいだろ」

「え?」

「駅まで」

 光輝はそれだけ言って、傘を開いた。

 理紗は慌てて、その隣に入る。

 けれど、折りたたみ傘はふたりで入るには少し狭かった。

「光輝、肩濡れてるよ」

「おまえが濡れてないならいい」

「でも……」

「近づけ」

「えっ」

「傘に入れって言ってる」

 光輝が傘を理紗のほうへ傾ける。

 自然と肩が触れ合い、理紗の胸が大きく跳ねた。

「光輝、近いね」

「傘が小さいだけ」

「顔、赤くない?」

「雨のせいだ」

「雨って冷たいよ?」

「……うるさい」

 理紗はくすくす笑った。

 その直後だった。

 胸の奥が、急に強く締めつけられた。
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