恋の花火がきえる時。
雨に濡れた紙に、病院の名前が書かれている。

 光輝の動きが止まった。

「……病院?」

 理紗の顔から血の気が引く。

「見ないで……」

「理紗、これ……何の薬だ?」

「返して」

「答えろ」

 光輝の声が、今まで聞いたことがないほど低かった。

 理紗は薬を受け取り、震える手で胸元を押さえた。

「……心臓の薬」

 雨音が、ふたりの間を埋める。

 光輝は何も言わなかった。

 ただ、理紗を見つめている。

「いつから?」

「ずっと……」

「ずっとって、いつからだよ」

「小さい頃から」

「どうして言わなかった」

 責めるような声ではなかった。

 でも、苦しそうだった。

 理紗は俯いた。
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