恋の花火がきえる時。
「言ったら、光輝が心配するから」

「当たり前だろ」

「それに……普通にしたかったの」

 理紗の声が震える。

「入学式も、教室も、今日の体力測定も……みんなと同じようにしたかった。光輝と、普通に笑っていたかったの」

「だから隠したのか」

「うん……」

 光輝は、濡れた前髪を握りしめるように俯いた。

 怒っているのか、泣きそうなのか、理紗には分からない。

「……俺は、幼なじみだろ」

「うん」

「ずっと一緒だっただろ」

「うん……」

「なのに、どうして俺だけ知らないんだよ」

 理紗の目から、涙がこぼれた。

 雨のせいだと思いたかった。

「ごめんね、光輝」

「謝るな」

「でも……」

「謝るなって言ってる」

 光輝は理紗の手首をそっとつかんだ。

 強くはない。
 けれど、絶対に離さないというように。
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