恋の花火がきえる時。
 でも今度は、病気の痛みではなかった。

「うん。約束する」

 理紗は泣きながら笑った。

 光輝はそんな理紗を見て、そっと傘を近づけた。

 自分の肩が雨に濡れていくのも構わずに。

「……俺が守る」

「え?」

「何でもない」

「今、守るって言った?」

「言ってない」

「言ったよ」

「空耳だ」

 理紗は涙を拭いながら笑った。

 光輝は、そんな彼女を見ていられずに前を向く。

 その胸の奥には、言葉にできない恐怖があった。

 理紗の病気を知ってしまった恐怖。

 そして、自分もまた、理紗に言えない秘密を抱えているという罪悪感。

 雨の帰り道。

 ふたりの距離は、昨日までより近くなった。

 けれどその分、光輝の秘密は、ますます重くなっていった。
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