恋の花火がきえる時。
やがて、ふたりの通う中学校が見えてくる。

 校門の前には、たくさんの新入生と保護者が集まっていた。
 知らない顔ばかりの中で、理紗は少しだけ不安になる。

「光輝、クラス離れたらどうしよう」

「別に」

「えっ」

「休み時間に会えばいいだろ」

「でも、毎日一緒に帰れないかもしれないよ?」

「帰る」

 光輝は即答した。

 理紗が目を丸くすると、彼は少し顔をそらす。

「……今まで通りでいいだろ」

「うん!」

 理紗は嬉しそうに笑った。

 その笑顔を見つめながら、光輝はそっと拳を握る。

 理紗は知らない。

 今日から始まる毎日が、永遠ではないかもしれないことを。

 光輝も知らない。

 この春の日に交わした約束が、いつかふたりを何度も苦しめることを。

 ただ、このときのふたりはまだ――
 桜の下で、ずっと一緒にいられると信じていた。
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