恋の花火がきえる時。
朝は手をつないで歩く。
 休み時間には、誰にも見られないように目を合わせる。
 帰り道には、昨日より少し近い距離で並ぶ。

 光輝は相変わらず不器用だったけれど、前よりも私に触れることが増えた。

「理紗、薬は?」

「持ってるよ」

「見せろ」

「子どもじゃないんだから」

「確認するだけだ」

「はいはい」

 私が薬袋を見せると、光輝はようやく安心したように息を吐く。

「光輝、過保護になったね」

「誰のせいだ」

「私?」

「おまえ以外に誰がいる」

 そう言いながら、光輝は私の髪を軽く撫でた。

 私はその手が嬉しくて、そっと目を細める。

 幸せだった。

 病気のことを知ってくれている光輝が、いつもそばにいてくれる。

 この時間が、ずっと続くと思っていた。

 けれど、少しずつ変化は始まっていた。
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