恋の花火がきえる時。
光輝が学校を休む日が増えた。

「風邪?」

「違う」

「じゃあ、何?」

「病院」

 光輝は、それ以上話してくれなかった。

 ある日、放課後になっても光輝は教室へ戻ってこなかった。

 待っていると、担任の先生が教室に入ってくる。

「岩下さん、近藤くんは今日は先に帰ったよ」

「えっ……」

 胸がざわついた。

 光輝が何も言わずに帰るなんて、今まで一度もなかった。

 急いで校門へ向かうと、遠くに光輝の背中が見えた。

「光輝!」

 呼びかける。

 光輝が振り返った。

 けれど、その顔は真っ青だった。

「理紗……」

「どうして何も言わずに帰ろうとしたの?」

「……悪い。今日は一人で帰りたかった」

「どうして?」

「何でもない」

「また、それ……」

 光輝が一歩後ろへ下がる。

 その仕草が、まるで私から逃げているように見えた。

「光輝、最近変だよ」

「変じゃない」

「学校も休むし、顔色も悪いし、病院にも行ってるよね」

「……」

「私には言えないことなの?」

 光輝は黙っていた。

 握った拳が震えている。

 私は、その手にそっと触れた。
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