恋の花火がきえる時。
翌朝。

 私は学校を休んだ。

 目を覚ますと、窓の外はまだ雨だった。

 枕元のスマートフォンには、通知が一件だけ届いている。

 光輝からだった。

『今日、学校は』

 短いメッセージ。

 私はしばらく画面を見つめた。

 返信したい。
 声を聞きたい。
 会いたい。

 でも、指は動かなかった。

 その頃、光輝は教室で何度もスマートフォンを確認していた。

「岩下さん、今日休みだって」

 美咲の声に、光輝の手が止まる。

「……そうか」

「昨日、雨に濡れて帰ったみたいだよ」

 胸の奥が、冷たくなった。

「誰から聞いた」

「クラスの子が見たって。傘も持ってなかったらしいよ」

 光輝は椅子を引いた。

「近藤くん?」

「先生には、病院へ行くって言っておいてください」

「えっ、でも授業は――」

 光輝は返事をせず、教室を飛び出した。

 理紗の家へ着く頃には、雨で制服の肩が濡れていた。
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