恋の花火がきえる時。

第十一話

あの日から、光輝はまた私の隣に戻ってきた。

 朝は家の前で待っていてくれる。
 帰り道は、私の歩幅に合わせてくれる。
 苦しくなったときは、何も言わずに手を握ってくれる。

 でも、光輝の秘密はまだ聞けないままだった。

「光輝、もうすぐ夏休みだね」

 終業式の日、私は校庭を見ながら言った。

「ああ」

「今年の夏祭り、行きたいな」

「花火のやつか」

「うん! 毎年、駅前の川沿いでやるでしょ?」

「人が多い」

「でも、花火が綺麗だよ」

「暑いし、疲れる」

「光輝はすぐそう言う」

「おまえが途中で疲れたら困るだろ」

「ちゃんと休むよ」

「本当か?」

「本当!」

 私は小指を差し出した。

「約束」

 光輝は、その小指を見つめた。

 いつもならすぐに絡めてくれるのに、今日は少しだけ迷っている。
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