恋の花火がきえる時。
最終章

第十二話

花火大会当日。

 朝から、胸がそわそわしていた。

 何度も時計を見る。
 浴衣を着る時間には、まだ早い。

「理紗、そんなに急いだら疲れちゃうわよ」

「だって、今日なんだもん!」

 鏡の前で、私は何度も髪を整えた。

 選んだ浴衣は、淡い水色。
 白い花模様が入っていて、帯は薄桃色。

「光輝、可愛いって言ってくれるかな……」

 呟いた瞬間、顔が熱くなった。

 付き合ってから初めての夏祭り。
 しかも、光輝と見る初めての花火。

 絶対に忘れられない日にしたい。

 夕方。

 浴衣を着せてもらい、髪をまとめてもらう。

 鏡の中の自分は、いつもより少しだけ大人びて見えた。

「どうかな?」

「とっても似合ってるわ」

「本当?」

「ええ。光輝くんも、きっと驚くわよ」

 その言葉に、心臓が大きく跳ねた。
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