恋の花火がきえる時。
「聞こえてたの」

「忘れろ」

「無理だよ」

「理紗」

「光輝がいなくなるなんて、嫌」

 目から涙がこぼれた。

「病気のことを教えて。お願いだから、私を置いていかないで」

 光輝は、しばらく何も言わなかった。

 やがて、震える手で私の頬を包む。

「……俺は」

 声が掠れている。

「心臓の病気なんだ」

 夜の静けさの中で、その言葉だけがはっきり響いた。

「理紗より、ずっと前から悪かった」

「治るの?」

 光輝は目を逸らした。

「治療はする」

「治るって言って」

「……」

「光輝、お願い」

「分からない」

 その答えに、胸が潰れそうになった。

 私は光輝の服を握りしめる。

「分からないって、何……?」

「手術が必要になるかもしれない」

「いつ?」

「まだ決まってない」

「成功するよね?」

「理紗」

「成功するって言ってよ!」

 泣きながら叫ぶ私を、光輝は強く抱きしめた。

「ごめん」

「謝らないで……」

「怖いんだ」

 その言葉を聞いた瞬間、涙がさらに溢れた。

 光輝が怖いと言った。

 いつも強がって、私を守ろうとしていた光輝が。
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