恋の花火がきえる時。

第十三話

花火大会の翌日。

 私は目を覚ますと、すぐにスマートフォンを手に取った。

 光輝からメッセージが届いている。

『昨日は楽しかったな』

 短い文章なのに、胸がいっぱいになった。

『うん! すごく楽しかった。浴衣、似合ってた?』

 しばらくして、返事が届く。

『似合ってた』

 たった五文字。

 それだけなのに、私は何度も読み返した。

 けれど、その日の午後。

 光輝のお母さんから電話がかかってきた。

「理紗ちゃん……少し、話したいことがあるの」

 その声を聞いた瞬間、胸の奥がざわついた。

 呼ばれたのは、近藤家のリビングだった。

 光輝のお母さんは、しばらく黙ってから、ゆっくり口を開く。

「光輝の手術の日が決まったの」

「……いつですか?」

「十日後よ」

 手にしていた麦茶のグラスが、かすかに震えた。
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