恋の花火がきえる時。
やがて、私の額に自分の額を寄せる。
「怖い」
小さな声だった。
「すごく怖い」
「うん……」
「手術室に入ったら、おまえの顔が見えなくなる」
「手術が終わったら、また見られるよ」
「ああ」
「私が毎日、待ってるから」
光輝は、私の手を握った。
「十日間、何がしたい」
「え?」
「手術までの間。おまえと、できるだけ一緒にいたい」
私は涙を拭って、少しだけ笑った。
「じゃあ、毎日会おう」
「毎日?」
「うん。朝から夜まで」
「体力がもたないだろ」
「光輝に言われたくないよ」
「俺は病人だ」
「私も病人です」
光輝は一瞬黙って、それから小さく笑った。
「……そうだったな」
「まずは、明日どこに行く?」
「どこでもいい」
「じゃあ、海!」
「暑い」
「水族館!」
「混んでる」
「映画!」
「寝るだろ」
「寝ないもん!」
いつもの会話。
いつもの光輝。
それなのに、ひとつひとつが宝物のように感じた。
翌日から、私たちは毎日のように会った。
公園でアイスを食べた。
図書館で隣り合って本を読んだ。
夕方の商店街を、手をつないで歩いた。
光輝は、私の写真を撮ろうとすると嫌がった。
「撮るなら、理紗だけにしろ」
「光輝も一緒に写ろうよ」
「俺はいい」
「どうして?」
「おまえの記憶に残るのは、俺だけで十分だ」
「それなら、なおさら一緒に撮るの!」
私は無理やり光輝の肩に寄り添い、シャッターを押した。
画面の中には、少し照れた光輝と、笑っている私。
「……いい写真」
「消すなよ」
「消さないよ。ずっと大切にする」
その言葉に、光輝は静かに目を伏せた。
手術まで、あと三日。
夕暮れの公園で、私たちはベンチに並んで座っていた。
「怖い」
小さな声だった。
「すごく怖い」
「うん……」
「手術室に入ったら、おまえの顔が見えなくなる」
「手術が終わったら、また見られるよ」
「ああ」
「私が毎日、待ってるから」
光輝は、私の手を握った。
「十日間、何がしたい」
「え?」
「手術までの間。おまえと、できるだけ一緒にいたい」
私は涙を拭って、少しだけ笑った。
「じゃあ、毎日会おう」
「毎日?」
「うん。朝から夜まで」
「体力がもたないだろ」
「光輝に言われたくないよ」
「俺は病人だ」
「私も病人です」
光輝は一瞬黙って、それから小さく笑った。
「……そうだったな」
「まずは、明日どこに行く?」
「どこでもいい」
「じゃあ、海!」
「暑い」
「水族館!」
「混んでる」
「映画!」
「寝るだろ」
「寝ないもん!」
いつもの会話。
いつもの光輝。
それなのに、ひとつひとつが宝物のように感じた。
翌日から、私たちは毎日のように会った。
公園でアイスを食べた。
図書館で隣り合って本を読んだ。
夕方の商店街を、手をつないで歩いた。
光輝は、私の写真を撮ろうとすると嫌がった。
「撮るなら、理紗だけにしろ」
「光輝も一緒に写ろうよ」
「俺はいい」
「どうして?」
「おまえの記憶に残るのは、俺だけで十分だ」
「それなら、なおさら一緒に撮るの!」
私は無理やり光輝の肩に寄り添い、シャッターを押した。
画面の中には、少し照れた光輝と、笑っている私。
「……いい写真」
「消すなよ」
「消さないよ。ずっと大切にする」
その言葉に、光輝は静かに目を伏せた。
手術まで、あと三日。
夕暮れの公園で、私たちはベンチに並んで座っていた。