恋の花火がきえる時。
「理紗」

「なに?」

「もし、俺が退院したら」

「うん」

「また花火を見に行こう」

「来年の?」

「ああ」

「絶対だよ」

「約束する」

 光輝が小指を差し出す。

 私はその指に、自分の小指を絡めた。

「来年も、その次も。そのまた次も」

「ああ」

「ずっと一緒」

「……ずっと一緒だ」

 光輝はそう言って、私の手の甲にキスをした。

 その表情は優しかった。

 でも私は知っていた。

 光輝が、笑顔の奥で震えていることを。

 手術の日まで、あと三日。

 私たちは、何度も「また明日」と言った。

 その言葉が、ずっと続くと信じながら。

 けれど光輝は、その夜ひとりで病院へ向かった。

 そして医師から、予想もしなかった話を聞くことになる。

 手術の日を、予定より早めなければならない――と。
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